催しの報告

4/28 CS東京第6回懇話会
「カダフィ政権の崩壊とリビアの現状」 報告

紅林進です。 


ご報告が遅くなりましたが、先週4月28日(土)に第6回CS東京懇話会を文京区民センターにて開催しました。

「カダフィ政権の崩壊とリビアの現状〜カダフィ政権の人権侵害と闘った在日リビア人青年の見たリビアの現状〜」と題して、在日リビア人(日本人の母親とリビア人の父親を持つダブル)のアーデル・スレイマンさんに話していただきました。

参加者は、講師のスレイマンさんを入れても10名、彼を除くと9名という今までで、一番少ない人数でした。なお共同通信のカイロ支局の記者も聞きに来られていました。

このように少ない人数で残念でしたが、講師のスレイマンさんの話自体は、彼はまだ23歳の学生ながら、日本のマスコミ報道では伝わらない、リビアの状況を伝える非常に興味深い内容でした。

彼は日本人の母親とリビア人の父親を持ち、日本とリビアを行き来しながらで生活、働いてきましたが、昨年、カダフィ政権の反対派市民への武力弾圧、人権侵害に抗議して、駐日リビア大使館への抗議デモを中心になって組織した人で、その抗議運動を担いながらも、この「革命」の背後にあるものも、冷静に鋭く分析していました。

石油利権に絡まる欧米諸国、とりわけフランスの思惑や、カダフィがアフリカ中央銀行を作って、金(キン)に裏打ちされた紙幣の発行により、ドルの世界支配体制に挑もうとしたことが米国などの怒りを買い、カダフィは「暗殺された」のではないかと述べていました。

またカダフィの「直接民主制」なるものがいかにまやかしで、国民の生活は一定程度安定しており、アルジャジーラ等の海外放送、衛星放送を観ることは規制されないものの、国内で政治的主張をすると、弾圧され、投獄や殺される実態も述べていました。

一方、カダフィは独裁者ながら、馬鹿ではなく、それなりに傑出した人物で、彼がもう少し柔軟に対応していれば、カダフィ体制が存続した可能性も述べていました。両隣のチュニジアやエジプトの「アラブの春」の動きに後押しされたとも述べていました。 

前半は、パワーポイントを使ってのスレイマンさんの話、後半は質疑応答でしたが、参加者のほとんどから活発な質問が出て、定刻の9時を過ぎても質疑が続きました。

参加者アンケートも5人の方、つまり講師とCS世話人を除く全員が書いてくれました。 


<市民連帯・東京 第6回CS東京懇話会>                                       
カダフィ政権の崩壊とリビアの現状
〜カダフィ政権の人権侵害と闘った在日リビア人青年の見たリビアの現状〜

講師:アーデル・スレイマンさん
日時:2012年4月28日(土)午後6時30分〜
(開場6時)
会場:文京区民センター 3−D会議室
    (地下鉄「春日駅」「後楽園駅」下車)
    地図http://www.b-academy.jp/faculty/c04_01_j.html?area=mainColumn
参加費:500円
主催:政治の変革をめざす市民連帯・東京
    URL: http://www.siminrentai.com/
    Eメール:ctstky@yahoo.co.jp

 
アーデル・スレイマンさん
日本人の母親とリビア人の父親を持ち、少年時代の多くをリビアで過ごし、高校卒業後は、ピースボートのリビア人スタッフとして働いた後、2011年2月、東京都渋谷区のリビア大使館前でカダフィ体制に対する抗議デモを仲間とともに組織。現在は、日本に滞在し、「エリコ通信社」という、アラビア語通訳・翻訳の通信社に勤務。ジャーナリストをめざして日本の大学に通っている。23歳。

(参考資料)
以下は、アーデル・スレイマンさんが『マガジン9』に書かれた記事です。

「リビアで、今起こっていること」(前編)
http://www.magazine9.jp/other/libya/

「リビアで、今起こっていること」(後編)
http://www.magazine9.jp/other/libya/index2

2/22 CS 東京第5回懇話会「震災復興」 報告
昨日2月22日(水)、東京・飯田橋の東京ボランティア・市民活動センターで、被災地復興の在り方をテーマに開催されました第5回CS東京懇話会の報告をさせていただきます。

講師は、丸山茂樹さん(参加型システム研究所客員研究員)で、参加者は、講師、インターネットTV(IWJ)の取材・撮影者を含めて21名でした。

今回の懇話会のタイトルは、「被災地復興:大資本主導の復興か、地元住民主体の協同による復興か〜岩手県宮古市重茂漁協の『漁船シェアリング』の取り組みなどを通して〜」という長たらしい名前でした。(私がつけた題ですが、長すぎ、限定しすぎで、まずかったと思います。)

この重茂(おもえ)漁協の協同による復興の取り組みは、朝日新聞の紙面(2011年5月15日夕刊「漁船シェアリング」の記事)やNHKのドキュメンタリー番組「豊饒の海よ蘇れ〜宮古重茂漁協の挑戦」(2011年9月6日放送)でも紹介されましたが、昨日の懇話会では、先ずその番組の一部を流しながら、丸山さんが、重茂漁協の取り組みについて詳しくご紹介されました。


重茂漁協の漁民たちも今回の震災・津波で、大きな被害を受け、漁民たちが所有していた814隻の漁船の内、16隻を残して、798隻が失われたそうですが、その残った数少ない漁船を個人所有から漁協の所有に移し、共同利用することを組合員全員一致で決め、組合員が地区別に小グループを組んで漁船を共同利用する漁を続けるとともに、組合員を他県に派遣して、中古船を買い集め、また国などの支援を待つことなく、新造船の発注もいち早く行ったとのことです。ただし全組合員が1隻づつ持てるようになった段階で、個人所有に戻すとのことです。

達増拓也岩手県知事は、重茂漁協の試みなども参考に、地元住民、現場重視の復興計画を立て、復興に取り組んでいる(雑誌『世界』2011年9月号に、達増知事へのインタビュー記事「答えは現場にある〜岩手のめざす人間と故郷の復興〜」)が、一方、村井嘉浩宮城県知事は、「選択と集中」によって、中小漁港の切り捨てを行い、大水産会社の参入による大規模漁業の展開・水産加工工場の操業など、大資本、官僚主導、野村総研などを使った中央主導の復興を行おうとしており、TPP路線とも通じるその村井嘉浩宮城県知事の復興路線なのか、重茂漁協などのような地元漁協主体の協同による復興や達増拓也岩手県知事のめざす地元住民重視、現場重視の復興路線を採るべきなのかが問われていると今回の丸山さんのお話を伺って思いました。

後半は質疑応答に充てられ、実際に重茂を訪れたことのある方も参加され、また在日の方や東北の被災地にボランティアに行った外国人の方も含めて、活発な質疑応答がなされました。

なおIWJのスタッフも取材・撮影に見えられ、編集したうえ、後日、インターネットTVにアップするとのことです。


(以下は、アンケート集計結果。講師以外の参加者21名中、アンケート提出7名、回収率1/3)

第5回CS東京懇話会参加者アンケート2012年2月22日(水)

1.本日の懇話会は何でお知りになりましたか?

雑誌・新聞(誌紙名:                     )
インターネット:1名(具体名:「PARC」              )
チラシ:4名(どこで: 「どこかの集会」 「100,000万年の安全ドキュメンタリ映画で」 「2.11集会で」「忘却、多分、2月11日亀戸カメアリ建国記念を問う」)
その他:1名(具体的に:「中野区の町内掲示板」)

これまで市民連帯(政治の変革をめざす市民連帯)のイベントに参加されたことはありますか?

ある:3名(何度くらい: 「2回」「2(回)」「3〜4回位」)
ない:4名

2.丸山茂樹さんのお話はいかがでしたか?ご感想をお書きください。

「とてもよかったです。とても感動しました。無知ながら私の考えとつながるところが多く、本当に感動しました。」

「たいへん興味深いものでした。宮城の漁村の方から話を聞いたことがあり、そのときも、村井知事のやり方を心配していたことが印象に残っていたので、今日の話は、同感できることばかりでした。」
「よくわかり、難しさも可能性もわかりました。仕事をさぼってまで来てよかった。」
「重茂漁協のくわしい取り組みについてよくわかりました。」
「成程、重茂が、沿岸漁業の要になっているのか、地域の人々の主導で復興がなされるべきとの丸山先生のお考えに、深い想いを致しました。何でもお上に任せるのではなく、日本国民が1人1人自立に向かって立ち上がるべきです。金太郎飴のような、同じ顔ぶれはもう止めましょう。」
「”6次産業化”という流通をとり込むことにより、地域(農村)の再生ができると思います。産直方式でゲリラ的に価格破壊を含めた流通革命をおこしたいです。」
「よかった。」


3.被災地復興の在り方についてご意見をお書きください。

「放射能で福島ばかりが採り上げられていますが、岩手県などの被災地が忘れられ、孤立してしまう状況をつくらないことです。そのためにも、岩手に出かけ、それを(小さい)まわりの人々に伝える。それが65才の私にできる支援(連帯)でしょう。」
「政治の在り方を変えなければ、日本の再生は険しいと思います。その点、達増知事のような人物が出ていることが光を感じる。」
「下から、住民、生産者、消費者から」
「平和共存型。日本全体がそうなってほしい。」
「反原発につきる」

4.CS東京懇話会で取り上げてほしいテーマや話題提供者(講師)がありましたら、お書きください。

「これからの世界と日本の方向性」「原発・自然エネルギー」「原発バクハツ後の「自治」について」
2012.2.19 討論会「国民投票をどう考えたらよいか」報告
討論会「国民投票をどう考えたらよいか」の報告:村岡到

 昨日の集会について簡単にレポします。

 二月一九日、東京・文京区民センターで討論会「国民投票をどう考えたらよいか」が開かれた。
小選挙区制廃止をめざす連絡会と政治の変革をめざす市民連帯が共催し、週刊金曜日が協賛。
司会は、矢崎栄司氏。参加者は三一人。
 報告は、村岡到氏が「国民投票の有効性と問題点」、河内謙策氏が「脱原発国民投票の意味」。
それぞれ、国民投票の意義と脱原発実現にむけての国民投票の有効性を明らかにした。
村岡報告は、日本の民主政の前進にとって国民投票が大きな意義をもつこと、それへの反発はマルクス主義の教条に発するものであることを明らかにした
〔村岡の報告は、『プランB』第三七号の巻頭論文参照〕。
河内氏は、司法による解決には期待できないがゆえに脱原発国民投票が有効だと提起した。
河内氏らが呼びかけている脱原発国民投票は一万二〇〇〇人の署名、原発問題で初めて政治参加するようになった主婦の比重が高いという。
 質疑・討論も活発に行われた。とくにこの間、都条例制定のための署名運動をしてきた女性からの発言がいくつかあった。参加者の三分の一が女性であったことも、共催団体のこれまでの集会とは異なるものとなり、可能性を感じさせた。
スイス滞在経験が一四年という女性は、スイスでは二〇〇二年の国連加盟も何回もの国民投票が繰り返された成果だと発言した。アンケートでも「国民投票の意味が分かった」など、集会は好評だった。
 なお、この集会につづいて、小選挙区制廃止をめざす連絡会だけの集まりとなり、そこで「小選挙区比例代表並立制を止め民意を公平に反映する選挙制度を」が提起され、採択された(別掲)。

小選挙区制廃止をめざす連絡会のアピール
小選挙区比例代表並立制を止め民意を公平に反映する選挙制度を

 政権与党の民主党は、今年一月に「議員が身を削る」と称して、衆議院の定数配分についての最高裁による「違憲状態」判決を根拠に衆議院小選挙区の五議席削減と、衆議院での比例区一八〇議席を一〇〇に減らすことを国会に提出する方針を明らかにしました。もし、この改悪を許せば、共産党や社民党などの議席は半減し、機能不全を深めている「二大政党制」をいっそう促進させることになります。
 一九九四年に「政治改革」の美名のもとに導入された現行の「小選挙区比例代表並立制」は、死票が極めて多く、民意の反映を大きく歪め、政治の腐敗と劣化を加速させています。二〇〇九年八月の総選挙では死票が四六・三%=三二七〇万票にも及び、得票と獲得議席との乖離が著しくなりました。小選挙区で民主党は得票率四七・四%で七三・六%の議席を確保。反対に自民党の得票率は三八・七%にも関わらず議席獲得率は二一・三%にとどまり、第三党以下はさらに得票と獲得議席のギャップが大きくなっています。
 民主党も自民党も政策的能力を低下させ、小政党分立の傾向が強まっていますが、仮に六つの政党が同程度の得票を得ることになると、一人しか当選しない小選挙区では数字の上では一七%得票の候補が当選することになり、八三%が死票となります。
 比例区の定数を減らすと、ますます小政党を国会から閉め出すことになります。日本の議員定数が多いなどと言われますが、人口が日本の半分のイギリスの下院は六五〇議席です。
「議員が身を削る」とは議員定数を削減することではなく、議員経費(議員一人で歳費と議員秘書給与を含め年間約六五〇〇万円)を減額したり、政党助成金(年間約三二〇億円)を減額・廃止すればよいのです。
 私たちが前から主張しているこの考え方がようやくマスコミにも登場しつつあります。
公明党が提案している「小選挙区比例代表連用制」は、定数配分の仕方によっては「比例代表制」に接近する場合もあり、社民党も同調し、民主党も検討中です。具体的成案が提出されれば、私たちもその是非について検討します。
 合わせて、立候補権を著しく制限する法外な供託金制度を改善することを強く求めます。衆参とも比例区では六〇〇万円、選挙区では三〇〇万円もの供託金となっていますが、他の国に比べてもすさまじい高額です(フランスはゼロ、イギリスは九万円)。これでは普通の市民が立候補することはできません。
 政党とその他政治団体との差別も大きな弊害です。戸別訪問が禁止されインターネットの活用をはじめ選挙活動が大幅に制限されています。政党助成金も問題です。年間三二〇億円にも及ぶ税金を投入していますが、受け取りを拒否している日本共産党に配分される分は国庫に戻されるのではなく他の政党に再配分されています。
 私たちは、市民自治の実現、民主主義の拡大という立場から、集会・デモ、条例制定のための直接請求と合わせ、選挙制度はきわめて重要であると考えます。市民の政治参加の機会と条件を大幅に制限する公職選挙法を根本的に改善する必要があります。
私たちは、各政党に前記の諸点を強く要求するとともに、多くの市民がこれらの問題を日本の民主主義の根本にかかわる問題として捉え、改善のための行動に取り組むことを心から訴えます。

ぜひ、賛同の輪を拡げよう!
二〇一二年二月一九日 小選挙区制廃止をめざす連絡会

2012.2.12 CS神奈川20回懇話会報告

「ベーシックインカムの思想史」

2.12 第二十回CS神奈川懇話会
「ベーシックインカムの思想史」報告

2012年2月12日、川崎市の高津市民館において、市民連帯神奈川懇話会「ベーシックインカムの思想史」を開催しました。話題提供者は、生存権フォーラム事務局長の高橋聡さん。「寄せ場」寿町で支援活動をしている方や、韓国「ナヌムの家」のボランティア経験者など、参加者は全体で11人でした。
 
「ベーシックインカム」(以下、BI)とは、所得や就労状況にかかわりなく、すべての人を対象に一定水準の現金を給付する政策で、それにより最低限度の生活(所得)を保障するという構想です。その場合、完全なBIには次の条件があります。すなわち、?すべての人に給付される、?個人単位で給付される、?無条件で給付される、?現金で給付される、?生涯にわたり定期的に給付される。また実践的には、ジェンダー運動や障碍者運動の中から、BIが要求されてきた経緯があります。さらにBIはリバタリアンも主張され、逆に社会福祉論からの批判もあります。

懇話会では最初に、高橋聡さんが「ベーシックインカムの思想史」と題して報告しました。その冒頭で、カール・ポラニー著『大転換』から、18世紀末から19世紀前半までイギリスに存在した「スピーナムランド制」を、初めて大規模に存在した事実上のBIとして詳しく紹介。これは、小作農の家族に対して、パンの価格を基準にした賃金扶助をする制度で、財源は救貧税です。ポラニーによると、人類史上、個人的な交換・交易・取引は普遍的でも必然的でもありません。市場は社会を破壊し、社会は破壊に抵抗します。つまり、市場イデオロギーはユートピアの夢を見続けますが、市場規制は自然発生し続けます。こうした市場に対する「抵抗」「規制」の観点から、BIも捉え返す必要があるでしょう。

18世紀〜19世紀、BIの先駆的な提唱者としては、トマス・ペイン、トマス・スペンス、フーリエ主義者のジョセフ・シャルリエ、エドワード・ベラミー、そしてジョン・スチュアート・ミルがいます。彼らの主張の特徴は、土地と自然権によるBIの正当化と、「飢餓の恐怖による労働強制」への疑義です。また、初のBI要求の大衆運動は、1920〜30年代イギリスで展開された、C・H・ダグラスによる社会クレジット運動でした。その場合の国民配当の根拠は、「共同社会の共通文化遺産は万人に属する」という考え方にあります。それと同時期、社会主義ヒューマニズムの立場から、バートランド・ラッセルとエイリッヒ・フロムがBIを提唱します。


他方で第二次世界大戦中、ケインズ・ベヴァリッジ型の福祉国家論が登場します。これに対し、ジェイムズ・E・ミードが「社会配当」を提案し、ジュリエット・リズ・ウィリアムズがBI型給付を主張。また1962年、ミルトン・フリードマンは、負の所得税を提唱しました。そして現代思想の中では、フェミニズムの立場から、ダラ・コスタが「家事労働に賃金を」と主張します。また、「機械化と省力化のため、有給労働が不足する」と認識するのが、ダグラス、ガルブレイス、ゲッツ・ヴェルナーたちで、さらにアンドレ・ゴルツは「稼得至上イデオロギー下では、BIで生きる人々が排除される」と警告しました。

報告の最後に高橋さんは、BI反対論者による主要な批判点を紹介しました。それは、BIは?社会サービス解体論である、?福祉の現金化である、?事業主の負担軽減になる、というものです。これに対し、小沢修司は現在、「車の両輪」論すなわちBIと社会サービスの両立を唱え、「労働力確保に必要な費用は事業主が負担すべき」と主張しているそうです。


後半の質疑応答では、まず生存権フォーラムからの参加者が、ポラニーの「生存権と賃労働は共存できない」という主張、ポラニーも加わった社会主義経済計算論争における「労働と分配の分離」という重要点、そして「土地公有化」の意義に関し、報告の補足としてコメントしました。次に、社会サービス(現物給付)と現金給付、「必要に応じた分配」とミーンズテスト、小沢修司の財源論とBI月8万円という額をめぐって議論。さらに、格差社会と「スピーナムランド制」失敗の教訓、現代日本の高い生活コストと「生存権所得」の意義、学問の独立を保障するBIの必要性を、主張する参加者もいました。

終了後の交流会では、寿町・山谷・釜ヶ崎など「寄せ場」運動の現状や、明治学院大での社会福祉論・労働経済論・社会主義論などの研究について、話題になりました。また、「派遣村」運動や震災復興支援、あるいはBIをめぐる韓国の情況まで話題になり、有意義な時間を過ごしました。懇話会では今後、BIのような理論的なテーマも取り上げていきたいと思います。


2012.1.13 日韓市民交流会2012報告

「日韓市民運動交流会2012」報告

2012年1月13日夕方、川崎市の「てくのかわさき」において、「日韓市民運動交流会2012」を開催しました。ゲストは「脱原発世界会議」のため来日した金賛寿さん(韓国歴史教師会・全教組)と李大洙(韓日100年平和市民ネット)さん。日本に到着したお二人は、まず「平和教育登戸研究所資料館」を見学し、「旧陸軍登戸研究所の保存を求める川崎市民の会」と交流。その後の「日韓市民運動交流会2012」では、日韓の原発問題を中心に活発な討論がなされ、翌日からの「脱原発世界会議」の成功にむけ、脱原発国際連帯を強めていくことが確認されました。資料館の見学会は10名、交流会は21名の参加でした。

なお、お二人の今後の行動予定は次の通り。
=>http://blogs.yahoo.co.jp/tocka_jikkoi/63457409.html

また、交流会主催者(日韓市民連帯の会有志)による基調提起は、以下の通りです。

「日韓市民運動交流会2012〜世界の<核発電>反対!子どもたちに緑色の未来を」

2011年の3・11フクシマ以降、今も日本は危機的な状況下にあります。そうした中、「脱原発世界会議」のため、訪日してくださった方々に対しては、真の友人として心から歓迎したいと思います。そのうち3人の方が、本日、韓国から川崎へ来てくださいました。

既に日中、韓国の方々には、「旧陸軍登戸研究所」をご案内させて頂きました。その資料館は、明治大学と市民の手によって、設立・保存されたものです。調査段階では、川崎の高校生の研究活動が、大きく貢献しています。

また、川崎は在日コリアンの街でもあります。戦前から、日本鋼管近辺や多摩川の河原に、「在日」の方々が集住した歴史があるからです。そして1970年から、この川崎南部を拠点として闘われたのが、日立就職差別裁判闘争です。この日立闘争は、当時の韓国の民主化闘争からも支援をうけ、画期的な勝利をおさめました。

そして現在の日本では、所謂「つくる会」系の社会科教科書を、各自治体から採択させるといった、許し難い策動があります。なぜなら、この教科書は、歴史を歪曲し平和憲法を否定し原発を是認するという、問題の多いものだからです。川崎ではこの間一貫して、この教科書の採択を阻止しており、明日もこの会場で集会が開かれます。

ところで、日韓関係を考えるとき、昨年8月の韓国憲法裁判所の決定に、言及しない訳にはいきません。そこでは、1965年の日韓基本条約に伴う「請求権協定」をめぐって、韓国政府が日本政府と再び協議すべきことを訴えています。具体的には、日本軍「慰安婦」の問題と在韓被爆者の問題です。

日本軍「慰安婦」問題に関しては2009年、川崎の友好都市である富川市市議会が、解決を求める決議をあげました。「韓国併合100年」である2010年には、日本の多くの自治体でも「意見書」が採択されました。そして昨2011年は、金学順ハルモニが決起して20年、水曜デモは1000回を数え、日本側でも運動を強めています。

在韓被爆者問題に関しては、明日からの「脱原発世界会議」でも、取り上げる予定です。そして、日本のフクシマの事態をうけて、在韓被爆者とその2世が多く住む陜川から、「2012 非核・平和大会」が提起されています。私たちはこの呼びかけを、重く受け止めねばなりません。

最後に触れておきたいのが、昨年、韓国で展開された韓進重工業闘争です。京浜工業地帯の一部である川崎でも昨今、企業によるリストラが強行され、特に非正規労働者が希望を見失っています。そうした中、キム・ジンスクさんの高空籠城と、「整理解雇のない世の中、非正規職のいない世の中のための希望のバス」による闘争勝利は、日本の労働者・市民にも、希望と勇気を与えてくれました。

以上、テーマは多岐にわたりますが、本日は大いに交流して、明日からの「脱原発世界会議」の成功につなげていきたいと思います。



12.23 CS神奈川18回懇話会報告

「原発輸出と脱原発国際連帯」

12.23 第十八回CS神奈川懇話会
「原発輸出と脱原発国際連帯」報告

2011年12月23日、川崎市の中原市民館において、市民連帯神奈川懇話会「原発輸出と脱原発国際連帯」を開催しました。話題提供者は、崔勝久さん(新しい川崎をつくる市民の会)で、全体の参加者は23人。「脱原発かわさき市民」で活動する仲間、PARC自由学校の受講生、そして在韓被爆者支援のグループなど様々な人々が結集しました。

10月26日〜11月9日、原発体制を問うキリスト者ネットワーク(CNFE)代表の崔勝久さんは、日本キリスト教協議会(NCC)の支援を受け、脱原発の国際連帯を追求するため韓国・モンゴルを訪問。そして11月11日、崔さんら日・韓・蒙の団体がインターネット同時記者会見を実現し、脱原発を求める共同宣言「Nuclear-Free Asia」を発表しました。今後も運動を強化・拡大し、まず来年1月14日〜15日に横浜で行われる「脱原発世界会議」の成功をめざしています。

懇話会では、崔さんが「原発体制を問うことから地域社会の変革を」と題して、韓国・モンゴルのスライドを上映しながら報告しました。その冒頭で、原発震災に直面し脱原発の運動が高揚する日本で、右翼による排外主義ナショナリズムが台頭している現実を紹介。内外の原発体制は植民地支配と同じ構造をもち、植民地主義は現在の国民国家でも再生産されていると指摘しました。その上で、国籍・民族を越えた協働で、地域社会を変革していくべきことを主張。また、こうした足下の闘いが世界とつながり、脱原発もはじめて可能になることを、1970年代の日立闘争の経験から強調しました。

現在、日本政府は中長期的には脱原発をめざすが、海外の要請に応えて原発輸出は推進する方針です。11月28日には、「安全な」原発の開発を唱えるビルゲイツが投資する、川崎の東芝実験用原子炉が再稼動されました。また12月9日、原発輸出や技術協力を可能にするため、ヨルダン・ベトナム・ロシア・韓国との原子力協定が、国会で批准されました。

これに対し、韓国の李明博政権は、2030年までに原発による国内発電を60%へ引き上げ、世界の新規原発の契約20%を取るという戦略。初めてアラヴ首長国連邦との契約した日が、国民の祝日となっているそうです。しかしながら、韓国の道路でセシウム137の検出が相次ぎ、ソウルでは毎時3マイクロシーベルトの区域が出現。そして、脱原発を掲げるソウル新市長が誕生し、「脱核エネルギー大学教授の集い」が発足しています。韓国「緑の党」の全国発起人大会が成功し、韓国「カトリック正義と平和協議会」も動き始めたそうです。

他方、世界の埋蔵ウランの15%をもつモンゴルは、2020年までに原発を完成させる計画で、外資の比率が高い20の合弁会社のうち、現在、韓国系の企業が土地調査を進めている最中。その場合、モンゴルの原発による電力は中国へ供給され、中国軍がモンゴルの原発を防衛するという話があるそうです。また、日米蒙で合意したCFS構想は、モンゴル国家安全保障委員会が承認すれば実現し、実際、アラヴ首長国連邦との間では、ウランの提供と使用済燃料の引き取り契約が存在します。そして、崔さんはモンゴル「緑の党」のセレンゲ元党首と会談し、Face Book利用者(反核をめざす1万人メンバー)らと交流。中国による経済支配と旧ソ連による文化侵略の現実も、見聞してきたそうです。
 
質疑応答では、ビルゲイツが開発を推進する新型原発、中国の原発導入・輸出戦略、韓国とモンゴルにおける「緑の党」を含む野党の動向、震災と原発をめぐるキリスト教界のスタンスと運動資金、川崎みんなの党と外国人参政権、川崎臨海部にある東芝原子力技術研究所の役割と市民運動、そして韓国における落選運動などをめぐって議論になりました。また、ピースボートらが主催する「脱原発世界会議」においてCNFEは、日・韓・蒙や青森・佐賀・静岡の脱原発運動家らによるパネル・ディスカッションを企画し、展示や対話のためのブースも置くそうです。全体として、報告も議論も多岐にわたる、内容豊かな集会となりました。

佐藤和之(CS神奈川世話人)

12.9 第十七回CS神奈川懇話会

「『青春70歳ACT』出版を記念して」報告

 2011年12月9日、川崎市の中原市民館において、市民連帯神奈川懇話会「『青春70歳ACT』出版を記念して」を開催しました。話題提供者は、東京大空襲訴訟原告の斎藤亘弘さんと、元鉄建公団訴訟原告の佐久間忠夫さんで、全体の参加者は10人。「戦争と鉄道の地域史」を調べている教育労働者が遅れて駆け付け、昔、川崎の病院で労働争議を闘ったという女性が電話をくれました。

 懇話会では最初に、ロゴスの村岡到編集長が『青春70歳ACT』出版の経緯と、出会った著者4人に関して説明しました。すなわち、「国鉄労働運動60年」の佐久間忠夫さん、「戦争・安保・冤罪・差別・震災」を体験してきた元教育労働者の佐藤三郎さん、「東京大空襲裁判闘争」の斎藤亘弘さん、故・朝日茂氏が座右の銘にしていたイェーリングの言葉を胸に「朝日訴訟から生存権裁判へ」と闘争を展開する朝日健二さん。このうち、神戸の佐藤三郎さんの活動と岡山の朝日健二さんの闘争については、特に詳しく紹介されました。

 斎藤亘弘さんの話は、長年にわたり映画界にいた人らしく、NHK「カーネーション」と「坂の上の雲」の評価から始まりました。これらの作品は、映像技術も脚本も配役も優れているが、司馬史観には「侵略」の視点が欠落していると指摘。「私の家族は東京大空襲の犠牲者であり、明治維新からの日本の近現代史が間違った方向へ歩んだ結果だと捉えている」と述べました。さらに、東京大空襲60年展の際に作成した冊子「東京大空襲に至る<近現代史>解題」では、国家の「侵略のつけ」としての庶民への惨酷な犠牲を辿ったことを紹介。また、東京大空襲訴訟控訴審は来年4月25日の判決を待つばかりとなりましたが、今後は脱原発への国策転換も要求していきたいと意欲を語りました。

 議論では、太平洋戦争の空襲により焼け出された庶民と、3・11原発事故による「放射能の雨」から逃げ惑う福島県民らとの、共通性が話題になりました。国は「神風が吹く」と嘘をついて国民を戦争に動員しましたが、軍人・軍属には恩給があるのに、空襲被害者には補償がありません。他方、国や東電は「安全神話」をバラまいて原発政策を推進してきましたが、事故被害者の特に「自主避難」者には、見舞金程度で誤魔化そうとしています。

 佐久間忠夫さんの話は、横浜でうけた空襲体験から始まりました。続いて、現場からみた戦後労働運動史が語られましたが、注目されるのは未だに真犯人が分からない、1949年「国鉄三大謀略事件」(下山事件・三鷹事件・松川事件)に関する話でしょう。今年11月に三鷹事件の「死刑囚」竹内景助氏の長男が、再審請求を申し立てたからです。最後に、国鉄闘争は一区切り付いたが、さらに雇用確保をめざし闘っていくと決意表明。また、脱原発の闘いで勝たないと、逆に「大政翼賛会」に似た動きが出てくると警告を発しました。

 質疑では、「一人一人が起ち上がり、人らしく生きていくことが重要、という考えはいつ生まれたのか」という質問が出されました。佐久間さんは、「日本が敗戦で軍国主義から民主主義へと転換したが、大人は誰も責任を取らなかった。そんな風にはなりたくないという思いから、自分の頭で物事を考え判断するようになった」と回答。今回も時間が足りない状況でしたが、ベテラン運動家2人を交えた議論で、皆の元気が出る集会となりました。

佐藤和之(CS神奈川世話人)


11/06 ソ連邦崩壊20年シンポジウム報告
ソ連邦崩壊二〇年シンポジウムの報告:村岡到

 11月6日、明治大学リバティタワーで、
社会主義理論学会主催の「ソ連邦崩壊二〇年シンポジウムが開催された。
三つの自主企画と全体会・講演会で構成され、全体の参加者は八七人。
協賛団体としてNPO法人日本針路研究所と独占研究会が協力した。
11月7日は――ピンと来る人はほとんどいなくなったが、1917年のロシア革命の記念日。
集会は小さな規模で、時代の変化を痛感するが、全体として内容の濃いシンポジウムとなった。

 全体会 講演会

 講演は、塩川伸明氏(東京大学教授)でテーマは「ソ連はどうして解体/崩壊したか」。
司会は西川伸一氏(明治大学教授/学会共同代表)。
参加者は83人。
 塩川氏は最初に、この学会での講演を引き受けたが会員ではないのでと断り、理論家と歴史家との違いについて説明したうえで、歴史家としての話になると前置きした。
豊富な知識に裏打ちされた講演で、ソ連邦の崩壊・解体について、何かの教条や事実に一元化して原因を見つけたつもりになる単純な歴史理解――「必然論史観」が大きな誤りであることを明確にした。
 塩川講演については、アンケートでも、
「抑制の利いた冷静な観察で貴重な示唆を頂きました」、
「ソ連解体の歴史過程の複雑さがよくわかった」、
「講演だけでなく、質疑討論が充実していて、全体像にアプローチする上で、とてもよかった」、
「歴史家の立場というスタンスでの講演、わかりやすくとても興味深く聴きました」、
「塩川先生の言う『大きな物語』によってソ連解体を理解していたので、先生のていねいなお話で、認識があらたまりました」、
「質疑も含めて、きめ細かい事実分析と理論とのかかわりが興味深くきくことができた」
と極めて好評だった。

 自主企画1 社会主義像の探究

 報告は、森岡真史氏(立命館大学教授)が「社会主義の歴史と残された可能性」を、
村岡到氏(『プランB』編集長)が「社会主義と官僚制」を。
司会は藤岡惇氏(立命館大学教授)。
参加者33人(責任:NPO法人日本針路研究所)。
 森岡氏は、ユートピア社会主義思想まで射程を拡げて、社会主義思想には生存権を重視する考えと労働義務を重視する考えとが流れていて、ソ連邦で試みたような私的所有の廃絶ではなく、生存権を重視する市場を活かした社会主義が求められているとして、利潤追求への批判を軸とする資本主義批判には限界があると説いた。
 村岡は、従来のマルクス主義では法学的考察を欠如させ、「ブルジョアジー独裁」批判を強調し、
「官僚(制)=悪、打倒」という単純な理解だったが、そこを根本から改めて官僚制の必然性を理解した上で、〈清廉な官僚制〉を創造することが課題だと主張した。
 

 自主企画2 20年後のソ連東欧

 報告は、加藤志津子氏(明治大学教授)が「ロシア企業の体制転換──国家・企業・労働者」を、
岩田昌征氏(千葉大学名誉教授)が「自主管理社会主義の教訓」を。
司会は佐藤和之氏(高校教師)。
参加者は30人(責任:社会主義理論学会)。
 加藤報告では、ロシア企業の体制転換がゴルバチョフ改革期、エリツィン政権下、プーチン政権下、
そしてメドヴェージェフ政権下に分けて考察され、同時に労働者の地位の変化も明らかにされた。そして、企業は徐々に国家の統制化におかれ、労働者は変化を消極的に受容してきたが、経済構造の多様化やディーセントワークのために「現代化」が必要だと結論づけた。
 岩田報告では、ユーゴスラヴィアの自主管理社会主義を、協議経済化の過剰と合理的官僚制建設志向の欠如という点から反省し、体制崩壊後の旧ユーゴ諸国における自主管理社会主義への評価と、崩壊と内戦の欧米的要因も指摘された。報告の隋所に、岩田氏の長年にわたる現地体験や、ユーゴ・コミュニストとの対話も紹介された。
 それぞれ、質疑応答も活発だった。また、社会主義における国家・企業・労働者という点で、両報告は繋がりがよく、全体として踏み込んだ議論ができた。(この項は佐藤和之)

 自主企画3 ソ連崩壊後のアメリカとキューバ

 報告は、瀬戸岡紘氏(駒澤大学教授)が「アメリカ建国の理念にみる市民の共同体」を、
鶴田満彦(中央大学名誉教授)が「キューバのめざす社会主義」を。
司会は長島誠一氏(東京経済大学教授)。
参加者15人(責任:独占研究会)。

 懇親会

 シンポジウムの後の懇親会には25人が参加して、歓談した。司会は田上孝一氏。
岡本磐男氏(東洋大学名誉教授/学会共同代表)の乾杯で、塩川氏を初め報告者、司会に加えて、
独占研の柴垣和夫氏などが発言した。柴垣氏は「労働力の商品化の止揚を追求することが依然として課題だ」と述べた。
 四年前に「ロシア革命九〇周年シンポジウム」が社会主義理論学会などによる実行委員会主催で開かれたがその参加者は80人、今回は、独占研究会や基礎経済科学研究会などの会員にも拡がったので参加者が少し増えた。
 アンケートに「すばらしい企画でした。設営諸氏に感謝します。社会主義理論学会がまだ存続していることに敬意を表します」、
「有益なシンポジウムだった。出席して良かった」とあったことを締めくくりとしたい。

 
10/23 CS第4回総会報告
  政治の変革をめざす市民連帯 第4回総会の報告:村岡到

 政治の変革をめざす市民連帯は第4回総会を10月23日に開いた。その簡単な報告です。

 出席は15人 (遅れて出席した会員を含みます)
 議事は以下。
・活動の報告と総括
・会計報告
・今後の方針
・次期役員の選出
 報告の前に:前回総会(2010年1月17日)以来の活動報告、会計報告を討議/承認し、次期の役員を以下のように選出した。議長は佐藤和之さん。最後に岡本磐男代表が挨拶した。

 
 会 長 岡本磐男  
 事務局長 村岡到
 世話人 石井孝夫 長内経男 紅林進 佐藤和之 高橋聡 中村剛 野村修 平松民平 
 会計監査 江村信晴
 役員の任期は次回総会までとする。

 会報「希望」は年内にもう1号発行する。総会についても詳しく報告します。
 来年3月に「税制とベーシックインカム」をテーマに討論会を企画する。

 会の運営については次のように確認した。
 運営についての約束
・会員:この会が別掲の「CS呼びかけ2010」(さらに脱原発も加える)を活動の趣旨と していることを承認し、年会費2000円を支払う人は会員になれる。
・世話人:総会で若干名の世話人を選出する。世話人会で補充することもある。
・世話人会議は適宜ひらいて会の実務を担う。
・会員総会:最低2年に1回は開催する。
・会員が150人を越えるようになったら、会則を決める。
・ 会員は、その言動をこの会によって拘束されることは一切ない。しかし、会として、
 あるいは会を代表して表現する場合には、「CS呼びかけ2010」の趣旨を尊重しなくて はならない。
・MLで会員は自由に意見表明できる。ただし会員の多数の意志によって発信を受け付け ない場合がある。他者を誹謗・中傷する投稿は受け付けない。WEBの運営については別に 細則を定める。

 総会の後に講演会を開いた。参加者31人。
 講演は西川伸一 さん(明治大学教授)
 テーマは「政局を日本政治の特質から視る」
 『週刊金曜日』の読者あるいはその案内を見て参加した人が10人を越えていた。
 講演は、日本の政治が、国会や政府の動向のレベルではなく、実際に施策を実行する官 僚のレベルによっても大きく左右されていることを明らかにした。
 とくに、民主党政権になってから廃止された「事務次官会議」がどういう位置を占め、 どういう機能を果たしていたのかを詳しく説明した。

・今後の企画について
<第16回CS神奈川懇話会>
テーマ:「沖縄・八重山の教科書問題」
日  程:2011年11月18日(金曜日)
報  告:「八重山の教科書問題」谷田部光昭さん(西表島在住・市民自主学級企画委員)
特別報告:「川崎の教科書運動」元公立高校教員(川崎の教科書問題を考える会)
司  会:佐藤和之(佼成学園教職員組合執行委員)
<第17回CS神奈川懇話会>
日  程:2011年12月9日(金曜日)
『青春70歳ACT』出版を記念して
話題提供:斎藤亘弘さん(東京大空襲訴訟原告・東京大空襲犠牲者遺族会)
話題提供:佐久間忠夫さん(元鉄建公団訴訟原告・国鉄労働組合OB)
<市民連帯・東京 第4回CS東京懇話会>  
日時:12月16日(金)午後6時30分〜
テーマ:原発と被曝労働の実態                     
    
講師:樋口健二さん(報道写真家)

 

 
10/9 CS神奈川15回懇話会報告「震災後の非正規労働」
10.9 第十五回CS神奈川懇話会
「震災後の非正規労働」報告

2011年10月9日(土)午後1時30分より、川崎市の中原市民館において、市民連帯神奈川懇話会「震災後の非正規労働」を開催しました。話題提供者は、キャノン非正規労働者組合宇都宮支部の阿久津真一さん。この企画は3月に予定されていましたが、3・11東日本大震災による「計画停電」のため延期になっており、この日ようやく実現できました。

阿久津さんはまず、労働者が3・11東日本大震災以後、労働災害や休業に伴う賃金カットやリストラ解雇に直面し、中でも非正規労働者が特に苦しい状況に追い込まれている実態を指摘。そして、北関東を拠点とするキャノン非正規労働者組合のメンバーも、その例外ではなく、歯を食い縛って闘争を続けている現実を訴えました。また、原発で働く請負労働者だけでなく、運輸労働者や清掃労働者や水道労働者なども、被曝の危険にさらされている現実が議論になりました。

続けて阿久津さんは、非正規労働とりわけ偽装請負や違法派遣の問題点と、それを使用する経営者側のメリット、職安法に対する派遣法の成立とその改悪の経緯、そして正社員の減少と賃金低下とデフレとの関係を、スライドを使って説明。さらに、キャノンの職場実態や非正規組合結成にいたる経過と現在までの闘い、裁判闘争と労働委員会での論点、あるいは交流している他の非正規争議の紹介などを、写真や書類も示しながら報告しました。キャノン争議の場合、偽装請負を労働局に告発した後、期間社員として直接雇用されましたが、休業を強いられたあげく、契約更新は拒否されています。

休憩を挟んで質疑応答では、まず主催者が阿久津さんの報告に対してコメントし、上部団体をもたないキャノン非正規労働者組合の運動の作り方や、韓国の非正規労働運動への評価について議論になりました。さらに、1995年の日経連「新時代の日本的経営」、女性労働者と派遣法制定時の状況、そして松下PDP偽装請負裁判判決以降の司法判断をめぐって、参加者全員で活発に討論。加えて、同一職場に正規労働者と非正規労働者が混在することの弊害、すなわち労働者間で格差と差別が広がり、経営による分断・支配が強まり、結局は正規労働者の労働条件も劣悪化している現状などが指摘されました。

最後に、広範な連帯の必要性という観点から、チュニジア・エジプト革命に触発され全米各地に拡大している、「ウォール街を占拠しろ」キャンペーンへの連帯デモに関しても、話題になりました。続いて、「団結まつり」初代実行委員長の佐久間忠夫さん(国労OB)が参加していたこともあり、脱原発と非正規労働撤廃をめざす、今年の「団結まつり」に対する賛同・参加のアピール。そして、阿久津さんが「子どもたちから希望ある未来を奪わないためにも、非正規労働の撤廃をめざして最後まで闘う」と決意表明し、闘争支援を訴えて、集会を終えました。           
佐藤和之(CS神奈川世話人)

2011/9/17 第8回CS埼玉・群馬懇話会報告 

高橋です。

9・17埼玉・群馬懇話会(第8回)集会報告

大宮にて、「脱原発の内実をどう考えるか」と題して懇話会を持ちました。
参加9名。

最初に村岡到さんより、脱原発の思想的課題について話してもらいました。
3.11以降のメディアの言論分析から説き起こし、原子力の実体的諸特徴に起源をもち、政治的誘導によって加速する「原発文化」克服の方向性を示す、という話でした。生産力の無限拡張を疑い、生活の質を問う運動を提起。
また、共産党や新左翼の批判・評価をめぐる問題も提起され、これは好評で後で討論になりました。

今回の集会のもう一つの柱は、先のCS世話人会において埼玉の長内氏が提起した原賠法・電源三法の知識をCSにインストールすることで、これについては大体目的を達したと思われます。但し法律はやはり難しく、ちんぷんかんぷんという人もいたので、今後さらに研究して何らかの方法で広めたいと思います。

質疑では一転して共産党や原水禁運動に代表される運動のあり方に対する討論になり、党派性と大衆性をめぐるかなり深い話で、めったに無いことなのでよかったと思います。

若い人がビラを見て来てくれましたが、村岡さんの名前を見て話を聴きに来た?ように思われました。

        
2011/9/9 第14回CS神奈川懇話会報告 
9.9 第十四回CS神奈川懇話会
「子どもを放射能から守れ」報告

2011年9月9日(金)午後6時30分より、川崎市の中原市民館において、市民連帯神奈川懇話会「子どもを放射能から守れ」を開催しました。全体参加者30人で活発な討論がなされ、9月11日や19日に予定されている「脱原発」デモでの再会を確認して散会しました。

なお、当日のプログラムは次の通りです。@湯本雅典さん製作のDVD「子どもたちを放射能から守れ−福島のたたかい」上映、A高橋真知子さん(福島の子どもたちとともに川崎市民の会)による「福島の子どもサマースクールin川崎」の報告、B谷田部光昭さん(脱原発かわさき市民)による川崎における「脱原発」の活動紹介、Cフリートーク。このうち、A〜Cは「Ustream IWJエリアチャンネル 神奈川2」でご覧になれます。

http://www.ustream.tv/recorded/17156647
http://www.ustream.tv/recorded/17157022

また当日、DVD製作者の湯本雅典さんは福島現地取材のため参加されませんでしたが、集会参加者に「子どもたちを放射能から守れ−福島のたたかい」に対する感想を書いていただきました。それには、福島から避難してきた母子連れの方のものを含みます。以下、いくつか紹介しておきます。

「<子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク>の文科省への闘いのように、行動に移さなければ何も始まらないと思う。普通の人が普通感覚の声を上げているこのDVDは、行動を起こす元気を貰えたドキュメンタリーだと思う。次回作に期待します」。

「司会の方が、福島現地では<除染と(危機感の)風化>が始まっていると紹介していましたが、それは私たちにも言えると思う。また、討論でも話題になっていましたが、今フクシマでは除染より避難が大事、という意見には同感です。高橋さんが、お子さんを白血病で亡くされ骨髄バンクにかかわっている、という話には胸が詰まりました。長い闘いになりそうですが、共に生き延びたいと思います」。

「福島から離れているとなかなか現地の表情がわからないので、映像で目のあたりに出来て、伝ってくるものがありました。教育の現場が、放射能防護に対して機能していないと聞いていたので、教職員組合の方々はどう活動なさっているのかと思っていたのですが、知ることが出来て良かったです」。
以上、ご協力ありがとうございました! 佐藤和之(CS神奈川世話人)

2011/6/18 CS神奈川懇話会第13回「続日立闘争の意味」報告
6.18 第十三回CS神奈川懇話会
「”続 日立闘争”の意味」報告

2011年6月18日(土)午後6時30分より、川崎市の中原市民館において、市民連帯神奈川懇話会「”続日立闘争”の意味−開かれた組織・地域・社会と真の<共闘>を求めて」を開催しました。話題提供者は、日立就職差別裁判元原告で日立製作所社員の朴鐘碩さん。雨の中、地元の市民運動・労働運動の仲間や大学関係者、そして(韓国留)学生など24人が結集しました。

最初、「日立闘争」のDVDを上映し、続いて朴鐘碩さんによる職場闘争報告がありました。1974年「日立闘争」に勝利し、コンピューターソフトウエア員として日立に入社。5年後、「おかしいことはおかしい」とモノが言えない、沈黙を「強要」される職場環境を変革すべく闘争開始を決意するが、胃潰瘍で1ヶ月入院。それでも、日立製作所労働組合の職場集会で発言するが、それ以降、職場集会はなくなったということです。1995年、「勤続25年記念論文」を提出し、事業所は国旗・国歌を中止。2000年以降、ソフト執行部委員長や評議員の選挙に立候補し落選しているが、得票30%を勝ち取っているそうです。また、公正な選挙、組合費の使途、春闘や一時金闘争などをめぐって、労組に対する公開質問状を出して
きたとのことでした。

 休憩を挟んで質疑応答では、昔「朴君を囲む会」に参加していたという方から、「労組執行委員長に立候補したとき、所信表明の原稿内容に対して、労組から注意はなかったのか」との質問。さらに別の参加者から、「朴さんの入社後、韓国人は日立製作所に何人入社したか。そういう外国人らとの接触はあるか」、「JR西日本を題材にした倫理教育をめぐり、パクさんの発言に対して組合員の反発はどのようなものだったか」、そして「レジュメの中に、<神奈川人権センターを糾弾する>とあるが、その内容について教えて欲しい」等の質問がありました。残り時間が少ない中、それらに対し朴鐘碩さんは、労働者が自由に発言できる企業・組合を求める立場から、丁寧に答えていました。

 最後に司会が議論を総括し、連帯アピール・要請発言として、「脱原発・川崎市民」から学習会案内。最後の最後に、今年秋に定年を迎える朴さんが「定年後も日立で契約社員として65歳まで働く申請をしている。ここまできたら最後まで日立に固執して生きるしかありません」と宣言し、大きな拍手に包まれながら懇話会は終了しました。その後、居酒屋で交流会がもたれ、日立就職差別裁判6・19勝利判決と日立闘争40年を祝うと同時に、参加者の今後の健闘を誓い合いました。また後日、当日参加できなかった派遣労働者の方から、配布資料を送って欲しいとの連絡があったことも付記しておきます。なお、朴鐘碩さんの講演・質疑応答の詳細は、次のウェブサイトに掲載されているので、是非、参照して下さい
2011/5/31 CS東京懇話会第2回「TPPは日本の農業 私達の暮らしに何をもたらすのか」報告
市民連帯でCS東京懇話会を担当しています紅林進です。

昨日5月31日(火)に、第2回CS東京懇話会を開催しました。

TPP問題をテーマに、「TPPは日本の農業、私たちの暮らしに何をもたらすのか?」と題して、農業ジャーナリストの大野和興さんを話題提供者に招いて話していただきました。

参加者は話題提供者の大野和興さんを除いて、主催者側も含めて31人でした。質疑応答も活発になされました。

レジュメや大野さんが雑誌に書かれた論稿、そして大野さんが中心になって執筆されたTPPについてのパンフレット『TPP 何が問題? 暮らしはどう変わる? 当たり前に生きたい ムラでも、マチでも』も配布して、TPPの問題点、そして今回の震災を受けて、当初、菅首相が主張した今年6月までに参加決定ということこそ延期されたものの、財界、マスコミなどの推進派は、震災を逆に利用して、TPP参加、新自由主義的な復興シナリオを推進しようとしていることが、被災地の苦悩する百姓たちの現実と対比して述べられ、また一方では、「チャンネル桜」や「在特会」などのナショナリスティックな、拝外主義的な部分もその観点からTPP反対を主張し、それに絡め取られる危険も指摘されました。
TPP反対の論陣を張っている中野剛志氏も在特会で講演し、彼らのイデオローグ的存在にもなっているとの指摘もありました。

CS東京懇話会の次回はまだ日程、テーマ、話題提供者等決まっていません。

是非聞きたいテーマや話題提供者がありましたらお知らせください。

6月18日(土)には第13回CS神奈川懇話会が開催されます。 
こちらにも是非ご参加ください。
2011/2/13 CS神奈川懇話会第11回「横浜人活事件と国鉄闘争」報告
2.13 第十一回CS神奈川懇話会

「横浜人活事件と国鉄闘争」報告

1月13日(日)午後1時30分より、川崎市の中原市民館において、市民連帯神奈川懇話会「横浜人活事件と国鉄闘争」を開催しました。話題提供者は、元鉄建公団訴訟原告で国労闘争団の佐久間忠夫さん。佐久間さんは1047名闘争の当該であり、横浜人活事件発生当時は、横浜人活センター労働側組織の代表。参加者は全体で26人でしたが、問合せが数件あり、後日、資料は郵送しました。この懇話会の宣伝過程でも、1047名問題「解決」状況への高い関心を感じました。

さて懇話会は、横浜人活事件をめぐるドキュメント「刻まれた謀議−人材活用センターの実態」(1990年)上映から開始されました。事件捏造のための謀議を録音したテープが流出し、その国鉄関係者をマスコミが追跡していくという内容です。実際、このテープは事件デッチ上げの決定的証拠となっていきます。

次に、佐久間さんによる、数々の貴重なお話がありました。分割民営化攻撃の嵐が吹く中、国労組合員らが横浜人材活用センターへ収容されるまでの経緯、助役らによる支配の過酷な実態と労働者側の愉快な抵抗運動、そして1986年に仕組まれた横浜人活事件の真相。地元川ア・横浜を舞台にした話題でもあり、リアルで興味深い内容です。話の後半は、労働現場から見た戦後労働運動史。2・1ストの回避、定員法による解雇、国鉄三大謀略事件、機労の分裂、マル生粉砕闘争、国鉄分割民営化、そして最近の非正規労働運動など、闘う労働者の立場から語られました。また、職場闘争、ビラ貼り、ストの組織化、職場討論、組合脱退者への再オルグなど、労働者がその時々で何を考え如何に行動してきたかも明らかに。さらに佐久間さんは、「一人の人間としてどう生きていくか」という問題が最も大切であり、そのためには「一人一人が自分で考え自分で行動する」ことが重要であると強調しました。

続いて、横浜人活事件原告の松本繁崇さんが挨拶に立ち、自己の心情や裁判闘争の現状を報告されました。事件のデッチ上げが明白となり、免職の5人が職場復帰しているのに、停職の3人は不採用のままである矛盾。既に25年間も闘い続け、周囲に「いつまで、やっているのか」と言われても、「許せないものは許せない」という強い思い。嫌がらせのような、これまで出された不当判決への怒り。そして松本さんは、闘争継続の決意と支援を訴えました。

休憩中は、小田美智男著『国鉄闘争見聞録』(アーク)の物販やら、『週刊金曜日』の購読申込やら、偽装請負裁判など数種類の署名やらと、賑わいました。その場にいたのは、国労OBや自治労の労働者、教育労働者や研究者、非正規労働者や山谷日雇労働者、そして「在日」や障碍者の運動を担う仲間たち。また、地元の川ア・横浜はもちろん、杉並や名古屋からの参加もありました。

その後、佐久間さんや松本さんへの質疑・応答。4者4団体による「政治和解」と「横浜人活事件」の扱いに対する評価、動労千葉らによる「国鉄闘争全国運動」への評価。また、労働運動におけるセクト主義、国労と動労との対立点、などをめぐる質問が会場から出されました。さらに、スト参加者と不参加者の心理や、1979年の大田区議会議員選での立候補に関しても、活発に質問が出ました。それに対して佐久間さんは、明るく丁寧に「言いたい放題」応答してくれました。

最後に、キャノン非正規労働者組合の阿久津真一さんはじめ、闘う仲間から連帯アピールや要請発言。佼成学園教職員組合の澤根好郎さんが、お礼を述べて締めくくりました。終了後の懇親会も盛り上がり、地元川アに住む市民と、労働戦線で闘う仲間との交流が深まりました。裁判傍聴や支援体制のアイデアも出され、戦術会議にもなったと思います。国鉄闘争は、まだ終わっていません。 

佐藤和之(CS神奈川世話人)   

Kazuyuki Sato

Кадзуюки Сато

 
2011/1/7 CS神奈川懇話会第10回「日本の選挙制度を問う」報告
1.7第十回CS神奈川懇話会
「日本の選挙制度を問う」報告

1月7日(金)午後6時30分より、川崎市の中原市民館において、市民連帯神奈川の懇話会「日本の選挙制度を問う」を開きました。話題提供者は、「みどりの未来」会員で開かれた議会をめざす会の田口房雄さん。田口さんは長年、民主的な選挙制度を模索し、問題提起してきました。参加者は全体で13人。次回懇話会の話題提供者も、立ち寄ってくれました。
懇話会ではまず、選挙制度改革をめぐる最近の情勢と「小選挙区制廃止をめざす連絡会」などの活動を主催者が紹介。とりわけ昨年末に出された、西岡武夫参議院議長による改革案(「参院選で都道府県単位の選挙区を廃止し、非拘束名簿方式の比例区を全国9ブロックに分けて全議員を選出する」というもの)と、この案をめぐるマスコミや財界の反応に注意すきことが確認されました。そして、小選挙区制と二大政党制に反対するだけでなく、私たち主権者がもっと議論を深め世論を高めていこうとの呼びかけがなされました。
続いて田口さんのお話がありました。その冒頭で、民主的な選挙制度を考える上での具体的な観点を、次のように提示。すなわち、@選挙における男女のクォータ制をどう評価するか、A衆議院選挙制は中選挙区制にすべきか比例代表制にすべきか、B地方議院内閣制(議会を中心とした一元代表制)をどう考えるか。同時に、田口さんは意見カードを参加者に配布し、懇話会の最後に提出するよう協力を促しました。このコレクトカードは、今後の議論づくりや問題提起の参考にするものだそうです。
さらに、田口さんは膨大な資料を駆使しつつ、とくにヨーロッパ諸国の選挙制度を例示しながら話をすすめていきました。その際、三井マリ子さんによるノルウェーにけるクォータ制(割当て制)の報告や、吉川ひろし千葉県議による台湾におけるリザーブシート方式(議員定数の中に女性枠を設定)の報告も紹介。そして、上の@ABに関しては、次のように主張しました。
@今後5年間で、男女半数による議会をめざして、会社役員や、その他リーダー的職種に対しても男女同数とすること。つまり、社会的運営権を男女で分かち合う法的措置を取る必要がある。A少数派の考え方が、議員の数として反映されるような議会をめざす。北欧で実施されているような、国会から地方議会に至る、すべての議員選挙を比例代表制選挙とすべき。衆議院を中選挙区に戻してはいけないし、地方議会の大選挙区制も比例代表制とすべき。B北欧のような、比例代表制によって選出された議会が地方行政執行権も持つ地方議院内閣制、つまり首長選挙のない一元代表制にすべき。
休憩時間中は、「レイバーネット日本」川柳班の人による、ワーキングプア川柳の紹介と句集の物販がありました。続いて、ハーバード大サンデル教授風に、田口さんを中心に質疑・討論。とくに@に関しては、女性差別の是正は必要だが、当選枠を割当てる方式は疑問だという意見が出されました。さらに、割当て制を考える場合、なぜ<男・女>の観点だけなのかという疑問も出されて激論。
Aに関しては、得票を正確に議席へ反映させる比例代表制を基本とすべきだが、個人候補が立候
補しやすい中選挙区制の利点も加味すべきという意見がありました。
最後に、川ア市職労や地元で「慰安婦」問題に取り組む仲間から要請発言があり、終了後は、近所
で懇親会がもたれました。懇親会は、女性4人・男性4人の参加でした。この日はずっと、左派運動
圏でも関心が薄いといわれる選挙制度をめぐって、様々な角度から議論ができてよかったと思います。

佐藤和之(CS神奈川世話人)

12/19 CS埼玉・群馬懇話会第7回「小選挙区制の問題点」報告
12月19日(日)、埼玉・群馬懇話会を行いました。9名参加。

最初に「議員定数削減反対運動の前進のために」と題して、河内謙策弁護士に話してもらいました。

先ず小選挙区導入について、元々は政治腐敗の防止のための方策であったものがマスメディアを動員した巧みな世論誘導によって選挙制度改悪に至った歴史的経緯が説明され、現下の定数削減の動きは戦後4度目の改悪運動としました。

小選挙区制については、政治全般への悪影響の現れとして、膨大な死に票を与件として有権者に少数政党無視がおきつつある、政治的意思と投票が乖離する現象がおき、結果政治の劣化をもたらしている、政党内部ではトップダウンに物事が決定する傾向が強まり、議員が官僚化している、等々の問題が指摘されました。

定数削減問題を前にした今後の課題として、選挙制度だけではなく護憲平和など諸課題と連動する運動にすること、幅広い統一戦線による共同闘争が構築されなければならない、と強調されました。

また、あるべき選挙制度として中選挙区と比例代表を衆参でそれぞれ採用する案が示されました。

会場からの発言としては、

・政治課題の複雑化によって民意が多極化して政治が動きにくい現状

・公約破りに見られる議員の拙劣に対してどう対処するか

・政党助成金問題と、共産党の受け取り拒否の評価

・死に票による民意の歪曲のもとで、議員数で助成金が配分されていることがもたらす深刻な不合理

などがあり、中身の濃い討論でした。

中で、元政党職員の方の発言で、労組や政党支部などを調整して広範な民意を吸い上げるシステムがある時期から無くなってしまったという指摘は深刻に受け止められました。

論点が多岐にわたり、短い文では紹介しきれないので、今後論文などで今回の成果を反映してゆきたいと考えます。

この間、小選挙区廃止連絡会を通じて討論が深められ、論点が進化かつ深化したという印象でした

どうやって大衆的な運動を広げてゆくかという問題が全面に出て来て、懇話会としても参加が伸び悩む中でそこに課題があると思います。

今回は、小廃連・市民の風関係者と地元参加者の交流会という性格になり、それとしての意義はあったものと思います。

今回多忙かつ状況的にも大変な中、話題提供していただいた河内弁護士、遠方からの応援参加者、また、懇話会発足時から協力してもらっている「市民じゃ〜なる」関係者に感謝します。

高橋

 

11/17 選挙制度改革について政党に聞く会
Subject: [cskml][01675] 11・7「選挙制度改革について政党に聞く会」報告紅林進です。

昨日、「選挙制度改革について政党に聞く会」が開催されましたが、主催団体の「小選挙区制廃止をめざす連絡会」の事務局長の村岡到さんからの下記集会報告を転載させていただきます。

(以下、転載)

11・7集会の報告:村岡到

 以下、ごく簡単にレポします。

 協賛団体発言について、テキストで発言内容を送っていただければ、HPで紹介します。また、参加の感想などをぜひ、投稿してください。

HPに投稿先が記されています。参加者が前回よりも一四人増えました。

 一一月七日、東京・文京区民センターで、「選挙制度改革について政党に聞く会」が開かれた。参加者は六五人。

 まず、開会挨拶を村岡到事務局長が行い、政党発言として、高橋俊次氏(新社会党中央執行委員)と保坂展人氏(前社民党衆議院議員)が発言し、フロア討論の後、協賛団体からの発言があり、最後に閉会挨拶を 佐藤和之代表が行った。

司会は河内謙策(市民の風)と北村肇(『週刊 金曜日』発行人)。

 村岡氏は、この集会にいたる経過を報告し、八つの政党に出席をお願いしたが、結局は二つの政党からの出席になったこと、公明党と共産党からは「欠席」の回答があたが、他の四つの政党からは返事すらなかった、と報告された。

 政党からの発言では、新社会党の高橋氏は、小選挙区制が導入された一九九三年の国会での土井たか子参議院議長の斡旋が出発点での誤りだったこと、立候補の条件が厳しく差別的であると、発言した。

 社民党の保坂氏は、自身の六回に及ぶ国政選挙の経験や国会での活動に踏まえて、小選挙区制の弊害について明らかにした。五一%を求めるので、立候補者の主張が似たものになり、加えて国会での審議が近年とても空洞化していると指摘した。一九七〇年代には、外務委員会での条約の審議は、エンドレスで質疑していたので、一人で三時間半も質問できたが、今や総時間が三時間とされ、小政党の質問時間が八分の場合もあるほどだ、という。 

 質疑は、フロアから質問用紙を提出するやり方で、司会の北村氏が適切に質問し、二人が答えた。いかにしたら、小選挙区制を変えることができるのか、政党の共同行動をどうやったら実現できるのか、が課題である。

 協賛団体の発言として、九条改憲阻止の会、草の実アカデミー、政治の変革をめざす市民連帯、平和に生きる権利の確立をめざす懇談会、平和への結集をめざす市民の風から発言があった。

 最後に、閉会挨拶を佐藤和之代表が行った。この集会には、国労闘争団の幹部も出席しており、前回よりも幅が広がったと確認した。

 また、意見広告の第3弾を団体を中心に掲載する方向で検討しています。

事務局長 村岡到

10.31CS神奈川懇話会

 

10.31CS神奈川懇話会

「国際平和と宗教交流」報告

10月31日(日)午後2時より、川崎市の中原市民館において、市民連帯神奈川の懇話会「国際平和と宗教交流」を開きました。話題提供者は、日本キリスト教団教会員で日本宗教者平和協議会の矢口春子さん。国連本部でNPT(核不拡散条約)再検討会議があった5月、矢口さんはニューヨークで「多宗教合同礼拝」(Interfaith Convocation)と「非核の
世界を
 めざす宗教者の集い in NY」(宗教者国際交流集会)を組織しました。

懇話会では、まず集会のビデオを上映し、続いて矢口さんの次のようなお話がありました。
「宗教者が自己の宗教の優位性を確信することから、宗教間対立の歴史が長く続いている。
キリスト教世界のカトリックとプロテスタントでさえ、聖書の共同訳をしたのは1987年のことであり、
米国では現在も保守的なキリスト教原理主義が根強い。それでも、日本宗教
者平和協議会は約  50年前に設立され、米国側パートナーの友和会の中心であるクエーカー教徒は徴兵拒否の歴史をもつ。宗教の違いを政治が利用し、戦争まで繰り返してきた歴史を反省し、他宗教の優れた点も認め合い、国際平和のために宗教者たちは連帯しなければならない」。

「人がその宗教の信者になるのは、生まれた文化圏や環境に左右される側面が強い。日本人は無宗教と言われるが、多神教的な「信心」をもち、物事を曖昧にする性格は寛容の精神にもつながる。
9月にオバマ政権は臨界前核実験を強行したが、それを支える米国人の軍事力信奉がある。そこで困難を乗り越え、宗教者による平和集会を実現したことは、大きな力となる可能性を孕む。民衆の意識が変わらなければ米国は変わらないので、「草の根」の運動こそ大切だろう」。

また配布資料によれば、日本では聞く機会が少ない宗教者によるスピーチが、次のように紹介されています。「この聖典(=コーラン)は平和主義を絶対的に命令するものではありません。同時に
戦争や共同体、部族、国の意図的な破壊、大量虐殺は旧約聖書のいくつかの書のなかで明記されています。しかし、イスラ
ムの教えの中で、武装した抵抗に明確なルールや禁止がないわけではないのです。イスラム教徒は一般市民に害を与える軍事行為−テ
ロリズムといった抵抗方法に関しては神学的に否定されています。木々や動物、環境に害を与える抵抗方法も同様です」     
(イスラム教徒・ラミーさん)。
「(モーセの十戒のうち)第3の戒めは<あなたの神、主の名をみだりに唱えてはならない>と言っています。我が国(=米国)が広島・長崎での残虐行為を行うことで、原子力時代の恐怖を思い知らせた時
・・・私が耳にしたのは・・・<これは神の意志だ>とか、この恐ろしい兵器が日本人にもたらした
破壊を神に感謝する声ばかりでした。もし創造主の名がみだりに使われたことがあるとしたら・・・
この時のことでしょう」(ユダヤ教徒・ロスさん)。

休憩をはさんだ後半では、参加者との間でフランクな議論がなされました。民族分裂の後天性と
「人間多様性」の尊重、「無縁社会」時代の拝金主義と宗教的な心の幸福、パレスチナ紛争と
「福音主義」、無神論者との関係、そして左翼運動の党派対立と村岡到氏の運動論など、
話題は尽きませんでした。どの論点も重要であり、矢口さんの宗教者としての回答も、
貴重なものだったと思います。

終了後は、同市民館で開催中の「平和をねがう原爆展&証言集会−核兵器のない世界を」に立ち寄りました。この主
催者のメンバーと私とは、日本軍「慰安婦」問題解決の地域運動を通じて、知り合いになっていたからです。そこで集
めていた、国連総会に提出する反核署名に皆が協力し、近所で交流会をもちました。

佐藤和之(CS神奈川世話人)

4/23 CS千葉懇話会(第11回)
千葉懇話会世話人の野村です。

 ちょっと古い話題になりますが、23日に11回目の千葉懇話会を行いました。今回は、会員の堀部道子さんに憲法について話してもらいました。参加者は7人。

 堀部さんは、日本国憲法の言葉づかいについて調べて発表してくれました。

 「平等」は1か所にしか出てこないこと。「国民」は多様されるが「人」はでてこないことなど、今まであまり深く考えてこなかったことに気づかされました。討論では、天皇制をどう考えるのか、参加者が活発に意見を述べ合いました。

 千葉では、懇話会によく参加されている会員のみなさんに話題提供者になってもらって、いつも顔を合わせる会員同士がもっとよく知り合っていけたらと思っています。今後も会員の方に話題提供をお願いしていきたいです。

 千葉懇話会次回は、7月23日に予定しています。話題提供は横浜事件の再審裁判で弁護をされた弁護士の吉永満夫さん。よろしくお願いします。

 

4/20 日本軍「慰安婦」証言集会の報告と「在特会」の動向
Subject: [cskml][01390] 4.20日本軍「慰安婦」証言集会の報告と「在特会」の動向

CS神奈川世話人TOCKAです。

先日ご案内した、姜日出ハルモニ証言集会は、約100名の参加で大成功でした。「約」というのは、日韓マスコミ関係者(CS林克明さんを含む)や主催者(CS神奈川メンバーを含む)をカウントすると人数は変わってくるからです。

それはともかく、主催者としては、今回も予想参加者人数を読み違え、座席と資料が足りなくなり反省しています。また、今回も「在特会」の妨害がなかった点でも読み違えましたw。が、実は、姜日出ハルモニが川崎へ来る前、すなわち名古屋での証言集会は妨害により「会場変更」となっていました。それを伝える記事2種とMLを下に転送します。

姜日出ハルモニのお話は強烈なもので、この問題が最大級の戦争犯罪であることを再確認しました。また個人的には、「何故、日本政府は謝罪・賠償しないのか」と訴えると同時に、「(来日するたび目にするが)何故、日本政府はホームレスを放置しているのか」と繰り返し強調していて、深く考えさせられました。

さらに個人的にはw、中国で「慰安婦」被害にあっていた姜日出ハルモニが腸チフスになり、トラックで運ばれ生き埋めにされそうになった時、偶然、朝鮮系パルチザンと遭遇し九死に一生をえたこと、戦後は人民解放軍の看護士として働いたこと、また本集会に参加した共産党市議会議員が挨拶したとき、同じ「共産党員」としてエールを交換していた場面など、が興深かったです。

以上簡単ですが、報告させて頂きます。次回、CS神奈川懇話会(6月25日中原市民館)の方も、宜しくお願い致します。

 

3/26 CS千葉懇話会(第10回)
3月26日、船橋勤労市民センターで開かれ、10人が参加した。
話題提供は川本幸立・千葉県会議員。テーマは千葉県政の現状報告。司会は村岡到。

川本さんはまず、話題の森田健作知事について「2分3行」という陰口が飛び交っていると話はじめた。他人と話す時間が2分を超えると理解不能になり、文章を読むと3行で行き詰まると噂されているという。議会では議員の質問に最初は質問が文書で提出してあるので、県の官僚が用意した答弁書を読めば済むが、質問が2度目になると自分では答弁できなくなる。与党の自民党議員からさえもあきれられている。

次に、昨年秋から千葉県政を揺るがしている不正経理問題を明らかにした。なんと40億円、50億円という途方もない巨額の不正支出が明らかになっている。県の職員が業者と結託して物品の不正納入などで裏金を工作し、自分達や与党の議員が湯水のごとく税金を私的に使い放題だった。これは今に始まったことではなく、もう数十年も続けられてきた悪事である。95議席の内55議席を占める自民党は真相を明らかにするのではなく、事実の隠蔽に動いている。県の職員組合も手ぬるい批判しかしない。川本さん、吉川ひろし(CS会員)など4人の議員が不正を徹底的に追求している。最後に日韓市民交流についても報告した。

 
  3/13 CS政治討論集会

   政治討論集会

   日時:3月13日(土)午後2時〜

   場所:文京シビックセンター5F 

   講演:深津真澄 氏(ジャーナリスト)

   テーマ:司馬遼太郎をどう見るか

   司 会:林 克明

   参加費:700円

   主催:政治の変革をめざす市民連帯 


「司馬史観をどう考えるか」


                      2010・3・13 『坂の上の雲』と日露戦争 於市民連帯集会
(深津 真澄 さんのレジュメ)

1)「司馬史観」とは何か
・幕末から明治時代への作品群。『竜馬がゆく』『翔ぶが如く』『坂の上の雲』『峠』 『歴史の中の日
  本』『明治という国家』『この国のかたち』などエッセイ、講演多数・司馬史観否定論 から靖国派の
  利用まで。史観は誰にも、どの時代にも存在する
・「明るい明治」と「暗い昭和」の二項対立史観→日露戦争以後をなぜ書かなかったか
・江戸、明治に対する愛情、マルクス主義歴史観への反発、民衆よりエリート重視

2)小説『坂の上の雲』の構造
・三人の主役=正岡子規、秋山好古・実之兄弟。三人は伊予松山の同じ町内で生まれ、国 家として
  青春期を迎えようとした明治日本の発展にそれぞれの役割を懸命に果たした
・「明るい健気な明治」=書き出し「まことに小さな国が開化期を迎えようとしている」 「一朶 の白い
  雲をのみ見つめて」→タイトル、町工場のような小さなひらけた国家
・日露戦争の性格規定=祖国防衛戦争、国民戦争。「当時の日本人は精一杯の智恵と勇気と幸運
 をつかんで外交能力の限りを尽くして勝利をかちとった」
・独特な文体=小説というより文明批評的エッセイ、鳥瞰図的小説作法の完成形

3)日清・日露戦争と史実
・「明るい明治」による史実切り捨て=「朝鮮半島という地理的存在」「多分に受け身」山県有朋の朝
 鮮利益線論、隠された日清戦争の発端、旅順虐殺事件、妃惨殺事件無視・祖国 防衛戦争といえ
 るか=シベリア鉄道の東進、ロシアの遼東半島租借、国民的脅威感 本質は朝鮮半島支配権をめ
 ぐる帝国主義戦争=第一次世界大戦に先立つ「第零次世界大戦」→日英同盟と英露の世界戦
 略、韓国の局外中立宣言無視、対露戦の兵站基地、連絡基地として実質植民地化、韓国併合は
 総仕上げ、日清・日露はセットの戦争

4)司馬の戦後歴史学批判
・悪玉か善玉かで捉える歴史学に近代精神はない=執筆時期(1968〜72)の反映「明治一〇〇年、
 高度成長、左翼学生運動の世界的拡大、72年の連合赤軍事件の衝撃
・東大教養学部報の『坂の上の雲』評価座談会=歴史学側の自己批判。生きた歴史の実感・司馬の
 戦後日本評価=軍国主義日本の否定、史上初めて国民が食える、死ぬほど好き
・司馬の功績=近代日本の歴史に大衆的関心を集めた、安心して生きた歴史を知った実感 

5)司馬史観で解けぬ謎
・大正期無視の一直線史観=合理的でリアリズムに徹した明治の日本人はなぜ昭和前期の 軍国
 主義に転落したのか、日比谷焼討事件から統帥権日本に直結したといえるのか
・『近代日本の分岐点』の主題=植民地支配が生んだ軍部の権限強化→・満州問題協議会 による
 軍部押え込み・師団増設問題と上原参謀総長の単独辞任による西園寺内閣退陣
・シベリア出兵の狙い・バーデン・バーデンの密約による中堅幕僚層の政治集団化
・山梨軍縮と宇垣軍縮の反動による危機感・満州事変予告編としての張作霖爆殺事件

6)私の結論=
・司馬作品を歴史そのものと思い込むな、
・「明るい健気な明治人」とい見方に立って実際の歴史過程から切り出して来た物語である。
・史実を絶対とする歴史学と史実のデフォルム、切り捨てもあり得る文学作品とは違いがあって当然
・歴史をつくるのは人間であり、戦後歴史学は実証を重視するあまり人間不在だった。 


<質疑>

M:日本は欧米列強の近代化を追いかけていた、というのが司馬さんの認識か。
F:深津さんは寛容だ。司馬は100%史実通りだとどこかで主張している。読者は彼の小説を必ずし
 も歴史に忠実ではない物語だとは読まないだろう。
深津:そのようなご意見はあるだろうと思っていた。確かに第五巻に事実に100%拘束されると述べ
 ているところもある。例えば戦闘場面などは長々と経過そのものを事実に沿って丁寧に記述してい
 る。しかし切り捨てられている部分もたくさんあるのも事実だ。
M:犬丸義一さん曰く「歴史の勉強にはロマンが必要」。彼がこういうのは意外だと感じたがなるほど
 と思うこともある。
A:年取ると許すようになる。相互にないものねだり状態ではよくない。歴史小説家にねじまげや切捨
 てが生じる。結局は作者の好みの問題か。
深津:好みを意識的に排除して純粋化、客観化するのは困難だと思う。例えば小村寿太郎の悔しさ
 から生まれた怒りによってアメリカ排除の満州鉄道建設があったのではないか。小村の悔しさを理
 解しつつ両者を公平に書き込むべきでそのように努力するが、これを現在時点で裁いてはいけない
 と思う。底の浅いものになってしまう。小村個人の責任というより当時の日本全体の体制が招いた
 ものだと私は認識している。
Y:司馬は陽気だ。作家には正反対な欝気味と二種類ある。坂本竜馬も陽気で、司馬はそうう点でも
 坂本を好きだったのではなかったか。
深津:竜馬を好きでその延長で歴史を見ていったのではないか。反対に乃木はその精神主義と妻へ
 の態度などの面で嫌いだったと思われる。司馬は乃木以外は殆どの場合、主人公に愛情をもって
 書いていた。幅広い新聞に書いていたが、全紙の編集者から好かれていた。逆に言えば人間の救
 いようのない冷酷さなどは書けなかったのではなかったか、司馬の限界かもしれないが。ノモンハ
 ン事件は取材はしたが途中で嫌になったらしく書いてはいない。明治以降のことを書いてない三つ
 の理由
 @日本軍の酷さが分かって描くことが苦痛になった
 A昭和の陸軍に天皇をどう位置づけるか、立憲君主制と見れば天皇の言動が憲法の範囲内であ
   れば戦争責任はないとなるが、現実ではどうか、書けなかったか
 B明治以降のことで書いためずらしいのものに正岡子規の養子と友人を中心にした「ひとびとの足
   音」がある。これは明るい。
K:晩年には在日韓国人に理解を示していたようだ。NHKがなぜ3年がかりでのドラマ化に踏み切っ
 たのか?
深津:在日問題は書いたものは見当たらないがそうだったのだろう。映像化を一貫して拒否 してい
 たのもそのような問題への反省があったのかもしれない。NHKもそのあたりを考慮 して慎重にド
 ラマつくりしていると思われる。ナショナリズムを煽ることなく、センセーショナル にならないように作
 っているようだ。
Z:史実中心でなく個人の人間の評価を基本にするというのは理解できるが、作品とは別に 司馬の
 歴史へのスタンス、昭和天皇への評価が高いことをどう見るか。
深津:ご自分なりの司馬観をつくればいいのでは。司馬の日本軍国主義の馬鹿らしさ、酷さに対す
 る心底からの怒りをもっていたのは本物。これが読者に安心感を抱かせる。軍国主義のナショナリ
 ズムは否定するが明治時代の初々しいナショナリズムは評価すべきと考えていたのだろう。リアリ
 ズム、合理主義の人であった。なんでも一辺倒で見ることを嫌っていた。土地バブルへの怒りも大
 きかった。経済政策の誤りやオウム事件への主張も持っていた。
S:日本人とは何か、がテーマだったと感じている。一方、暗い面を避けることがあったのではない
 か。
深津:暗い面を書いた作品もある。作家だから、、、。

以上(平松 記)


6/20 土肥信雄三鷹高校元校長を迎えて「東京都の教育はどうなっているのか」について活発に討論(市民連帯政治討論集会)
紅林進です。

市民連帯では昨日6月20日(日)に、都立三鷹高校の元校長である土肥信雄さんを講師に迎えて「東京都の教育はどうなっているのか」

をテーマにした政治討論集会を開催しました。

30人が参加し、三鷹高校で土肥さんが校長をしていた時の卒業生で、現在、大学生である女性も参加しました。

司会は現職の教員で、教職員組合の役員をやっている佐藤和之さん。

土肥さんの講演に先立ち、テレビ朝日が2009年6月に放送した土肥さんの教育実践と都教委に対する闘いを描いたドキュメンタリのDVDを放映

しました。

土肥さんは基本的人権の尊重と平和主義、日本がもっとも世界に誇れるものは憲法第9条という信条で教育活動を行ってきて、生徒の登校の際、

校門に立ち、生徒一人一人に声をかけ、在校生の氏名をすべて憶えるほどに、生徒に近づいて教育を追求きました。そのため生徒からも慕われ、

退職する際は、生徒から逆に(校長としての)「卒業証書」を送られ、全8クラスの生徒たちから色紙を贈られ、それが何より嬉しかったと語りました。

その色紙も持ってきて、回して見せてくれましたが、生徒たち一人一人の土肥さんに対する感謝や親しみのメッセージが溢れていました。

土肥さんは、「職員会議において教職員の意向を聞く挙手・採決を禁止」するという東京都教育委員会(都教委)の通知にたいして、その禁止に

よって、教職員の間に自由な討論ができなくなっているとして、その通知の撤回を要求した唯一の校長で、都教委に対し、公開討論も求めてきました。

また土肥さんはそのほかにも都教委の理不尽な命令に対して、他の校長たちが皆沈黙する中で、はっきり批判する行動をしてきました。

それに対する都教委の土肥さんに対する報復や嫌がらせ、教員や生徒に対する言論弾圧の実態など、石原都政下で都教委が進めている東京都の教育の現状について、具体的に話していただきました。

自治体の首長の任命による教育委員という、首長の意向に左右される、現在の教育委員会の問題点、取り分け都教委についていえば、教育委員

であった米長邦雄氏の問題性、そしてその教育委員会を変えようとすれば、首長を選挙で変える必要があることについても述べられました。かつては教育委員の公選が行われた時期もあるが、現状でそれが難しいのであれば、議会の議席配分に応じて教育委員を人選するとか、教育委員・教育委員会にも多様性を反映するシステムが必要だとも指摘されました。

土肥さんは、選挙で民意を反映した民主主義国家における法令順守という考え方(土肥さんはアナーキズムは弱肉強食、強者の勝利に終わるとも批判)から、国旗国歌の強制には反対ながら、都教委に従って職務命令は伝達する等(この点では不起立不斉唱等で、日の丸・君が代強制と闘っている教職員とは考え方・立場が異なるが)、法令順守をしてきたので、都教委もそれを理由に現職のとき土肥さんを処分することはできませんでしたが、定年退職後、ほとんどの教員が非常勤教員として採用されるにもかかわらず、都教委は土肥さんを不採用としました。

土肥さんはその不合格処分に対し、都教委による裁量権の濫用・逸脱、報復措置(他の校長に対する見せしめ)による言論統制として、都教委を相手に損害賠償を求める訴訟を東京地裁に提訴しました。裁判を通して、都教委による言論統制・言論弾圧の実態を明らかにしようとしています。

この間、都教委は土肥さんとの討論を拒絶してきましたが、裁判を通して、それを司法の場、国民の前で都教委にさせる意味があります。

この土肥さんの裁判闘争に対しては教え子や保護者も支援に加わっています。

6月28日(月)にはこの裁判の第7回公判が、午前10時30分から、東京地裁527号法廷であります。(傍聴席の定員は42名で、開始間際だと入れないので、傍聴する場合は、30分前くらいには行く必要があります。)今回は土肥さんの反論と、支援者である浪本さん(立正大学)の鑑定書を提出する予定だそうです。

なおこの日は裁判終了後、弁護士会館(502AB)で報告会を行うそうです。

★土肥元校長の裁判を支援する会  http://dohisaibansien.blogspot.com/

★学校に自由を求めて http://blog.goo.ne.jp/ganbaredohi

 

土肥さんの教育活動を描いたDVDを見、また講演で人権尊重の信念を貫いて教育にあたられた姿勢に感動しました。わたしはこんな校長さんに出会ったことはありません。

大抵は校長室の飾り物のようで、職員に妙な圧力をかけず、差別的な扱いをしない人畜無害な人ならいいと思っていました。土肥先生のように子ども第一の教育を追求する校長の下で働きたかったです。

 講演後の質疑応答で教科書選定の問題がでていましたが、30年くらい前は現場の教員の意向で教科書が選ばれていました。今のように子どもに接しておらず、教科内容を理解していないかもしれない人達によって選ばれた教科書で学ばされる子ども達が、学業に意欲的になれるはずがないと思います。

 学力テストなどで学力の比較をする前に、子どもたちの意欲を阻害する要因を考えるべきではないか考えさせられました。                                     
                                                              会員    水口淑恵

 

 
6/25 第八回CS神奈川懇話会・・性的マイノリティと地域社会
Subject: [cskml][01482] CS 神奈川懇話会「性的マイノリティと地域社会」報告

TOCKAです。以下、懇話会の報告です。ご協力ありがとうございました。

http://blogs.yahoo.co.jp/tocka_jikkoi/61697807.html

6.25第八回CS神奈川懇話会

「性的マイノリティと地域社会」報告

6月25日(金)川崎市の中原市民館において、市民連帯神奈川の懇話会が開かれ、7名が参加しました。話題提供者は、性同一性障害であることを公表し、世田谷区議会議員になった上川あやさん。まず、上川さんから約2時間に及ぶ報告があり、続いて参加者との間で活発な質疑応答がなされました。

テーマは「性的マイノリティと地域社会」ですが、法務省人権擁護局が掲げる強調事項のうち、世間の関心度が低いワースト2が「同性愛」、ワースト3が「性同一性障害」であるという調査結果があります(ワースト1はアイヌ民族問題)。しかしながら、LGBT(レスビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー)など性的少数者をめぐる諸問題は深刻であり、しかも論点は複雑多岐にわたります。そこで主催者としては、時間制約なしに問題提起をしてもらうよう、あらかじめ話題提供者に依頼しておきました。

さて、上川さんの「性的少数者と人権−とりまく社会状況と困難」と題する報告では、性染色体という生物学的医学的な話から始まり、体と心の性ないし性的指向とが一致しない、あるいは性が決められない者の内面的葛藤、周囲の差別・偏見と社会的不利益、性的少数者のNGO活動、同性同士が結婚できる国と同性愛者を死刑にする国、日本の「性同一性障害特例法」と今後の課題など、次から次へと重要な問題提起がなされました。

さらに、自分自身の生育暦と家族・学校・職場の話、シンガポールやアメリカでの生活、性別移行とカミングアウト、NGO活動から区議会議員当選までの経緯、様々な少数者の声を尊重した議員活動などを紹介。そして、沈黙からは何も生まれないこと、民主主義制度を動かすのは人であること、議会や行政に少数者の声を届けるには当事者のVisibility(存在の可視性)こそが鍵であることを、上川さんは自己の体験から強調していました。

報告の最後に、アイデンティティの根幹である性のスペクトラムと、多様な人々の連帯が社会を構成していることが、結論として指摘されました。実際、同性愛者だけでも人口の10%と言われているそうです。但し、差別を恐れる人は「苦しい...」とさえ言えないことから、問題は不可視化されています。したがって、性のあり方をめぐる「ふつう」や「常識」を問い直すと同時に、想像力ある周囲への対応が必要でしょう。そして近年、性的少数者に対する日本社会の認識は、確実に変わってきています。

質疑応答では、性自認に関するジョン・マネー説の問題、現行「性同一性障害特例法」の性別変更条件、「障害」という規定などをめぐり討論になりました。性自認の決定要因には、先天的なものと後天的なものがあるという説が、最新の研究だそうです。さらに現在、戸籍上の性別変更には、@性別適合手術、A婚姻なし、B成人前の子なし、という条件がありますが、その点を改正していく必要性が説かれました。そして一般に、LGBTなどを「障害」だとすれば社会的に取り組むべき課題となり、「個性」だとすれば自己責任の領域へ追いやられます。その場合、「障害」=悪という前提がありますが、その点にも疑問が投げかけられました。

終了後の交流会では、皆が議論に没頭し、気がつくと1日が終わろうとしていました。こうして、スリリングでラディカルな夜は、瞬く間に過ぎていきました。最後に、26日午前1時のツイッターから、上川さんの呟きを紹介しておきます。「川崎市での講演から帰宅なう。講演終了後もディープに武蔵小杉の居酒屋さんで語り合って帰路につきました。高校時代、武蔵小杉のマンモス校(男子校^^;)に通っていた私だけれども、周辺環境の激変ぶりには驚くばかり。駅から高校への通学路が思い出せませんでした…」。

佐藤和之    

Kazuyuki Sato

Кадзуюки Сато

 

10/11 埼玉群馬懇話会 報告
■埼玉・群馬懇話会
 
10月11日、

「日本国憲法と、日本の憲法状況を批判的に考える」をテーマに大宮にて懇話会を行いました。

11名参加。
 
最初に寺尾光身さんより、お話がありました。
9条・25条に見られるような違憲状況と、三権分立が真っ当に機能していないことの指摘がなされました。
討論ではほぼ全員が発言し、改憲運動・自衛隊・海外派兵・信教の自由などをめぐって白熱の討論でありました。
憲法の小冊子を持ってきて参照する人もおり、条文の微妙な表現の特徴を発見するという一幕もあって、
有意義であったと思います。
また、素人の集まりであっても、憲法の本質という原理的な問題に触れることが可能だということを示した点は
極めて大きな収穫でありました。
 
寺尾先生には、交通不便なところ来て頂き、御礼申し上げます。
また、「市民じゃ〜なる」、市民連帯在京メンバーにもいつも協力して頂き、感謝します。